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2021.08.16
ぎふ美術展

【書部門クローズアップ】書体、書風、線質の違いが際立つ妙味

 今回も、日本を代表する書の大家お二人を審査員にお迎えし、219点に上る、極めて多様な応募作品の数々を審査していただきました。

 審査会が開かれる朝、収納箱や軸を紐解いて、壁際一面にずらりと並べられた大小様々な作品を目の当たりにして、その壮観に心うたれました。人が精魂込めて描いた書は、これほどまでに見る者に迫って来るのか、それは言葉をただ伝える実用の域を超えて、人間の「意志」を伝える表現手段なのだ、と気づかされました。そうした中から限られた入選作品を選ばなくてはならない場面で、審査員も悩み、迷い、そうして喜びを以て結論をお出しになっておられました。

 黒田賢一先生・冨田淳先生は一致して「蟹眼」(かいがん)の筆力の力強さ、余白の美しさ、古代に現代の感覚を取り交ぜた調和、繊細さを評価されました。また今回、結果として入選に至らなかった作品にも、いろいろな輝きが感じられました。富田審査員からもご講評の中で「選外となった作品の中にも秀作が多く、特に小中学生の応募にはキラリと光る作品が少なからず見うけられ」たとのお言葉をいただきました。「ぎふ美術展」の直前に開催された「岐阜県青少年美術展」へも重ねて出品をした学校書道部や書道教室の皆さんも相当数いらっしゃったと伺っています。ぜひ、明日の「ぎふ美術展賞」を目指して、引き続き書に親しみ、書を楽しんでいただけたら、と願っています。

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