実施報告

2024.01.13
アートラボぎふ

写真実技講座 -BUNTSU 3- 実施報告(R5[2023]年度)

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2021年度、2022年度に引き続き、写真による文通を通して想いを伝える写真の撮り方を学ぶ写真実技講座(2回シリーズ)を開催しました!


【開催概要】

◆日時  【第1回】令和5年9月16日(土)・17日(日) 11:00~17:00  ※17日は関係者

     【第2回】令和5年11月25日(土) 11:00~17:00

◆会場  せきがはら人間村生活美術館(不破郡関ケ原町)

◆講師  野村佐紀子氏(写真家)

◆参加者数  20名(うち関係者 7名)


◆内容  週替わりで違うテーマにまつわる写真を撮影して文通相手と交換し、最後に自分の撮影した写真と文通相手の写真で1冊の写真集を制作する講座を開催しました。参加者が写真で文通をする相手は、あらかじめ参加者が撮影した第1週目のテーマ写真を見て、第1回開催時に気に入った相手を第一希望から第三希望まで選び、文通相手を事務局にて決定します。

 今回、(株)関ケ原製作所・せきがはら人間村財団の協力を得て、従業員の方々他の皆様にご参加いただきました。第1回目の初日に一般参加者の方、二日目に従業員等の方々のポートレート写真を講師の方が撮影しました。  

【第1回目】

 会場は2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」でも場面として出現する「関ケ原の戦い合戦場」の中にある「せきがはら人間村生活美術館・人間塾」です。「せきがはら人間村生活美術館」は、ファウンダー矢橋昭三郎氏の生涯をかけての夢「働くことと美しいものとの一致すべき理想郷の実現」としての思いと共に、美術家が表現するものとからめて、美術感を感じ、いろいろなヒント、共感、新しいものの見方などが生まれることを目指した美術感スペースです。伊吹山を望む広大な彫刻庭園には、フランスの世界的石彫家ピエール・セーカリーや新妻実、若林奮、近持イオリなどの作品が点在し、自然とアートが調和した空間は、地域に向けて開かれており、誰もが足を踏み入れて憩える場所となっている。そんな施設の一角にある『人間塾』という研修施設をお借りして開催しました。(「せきがはら人間村生活美術館」に関する記述は令和3年12月18日(土)開催の実施報告より引用)

 最初に、講師から週替わりで撮影してもらう写真のテーマの説明がありました。①果物、②3年後の私にみせたいもの、③何かの形に見える雲、④聞いてほしい話、⑤私の手、⑥私の秘密基地、⑦夜8時に私に見えているもの、⑧今日の朝ごはん、⑨私の一番好きな人、⑩夢、の10テーマです。参加者が各テーマに沿った写真を毎週撮影し、アートラボぎふ事務局にデータを送付して、事務局から写真を印刷したポストカードを双方に郵送する形で文通を行います。それを10回繰り返して、お互いに文通相手が撮影したポストカードを受け取り、第2回目の講座でそれらを1冊の写真集にします。

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 次に、各参加者にあらかじめ撮影して送ってもらった第1週のテーマである「果物」の写真をスライドに投影し、参加者から自身の写真について説明を受けました。続いて2日目の参加予定の方の写真も投影し、ピンと来た写真の方を文通相手として第一候補から第三候補までを選ぶ作業を行いました。

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 昼食休憩をはさんで午後からは「人間塾」外の庭園で講師による参加者のポートレート撮影です。当日は9月中旬でしたが、最高気温が35℃を超える厳しい状況の中、ポートレート撮影の補助をすることで、照明の光を反射させて眼に光の点が映るようにとの光のとらえ方なども教えてもらいながら、参加者が交替でレフ板、背景の白板を持ちました。参加者は2班に分かれ、一つの班がポートレート撮影をしている間、もう一つの班はせきがはら人間村全体をせきがはら人間村財団職員の山口様の案内で「蔵ミュージアム」や「生活美術館本館」「創業者の家」「スギモトオープンエアミュージアム」などを見て回りました。

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【第2回目】

 第2回目は日時を変えて1回目と同じ場所で11月25日(土)に開催しました。会場は楓が紅葉し、秋の季節に彩を添えていました。講義では、文通相手となった方と二人が同じテーブルに座ります。最初に、表紙を、今回のすばらしい会場が思い起こせるといいのではとの思いから、(株)関ケ原製作所のご協力により、彫刻制作に際し生じる廃材となる大理石数種類を大小様々な大きさのものとして準備していただきました。参加者は好きな大理石を選び、カバーとなる麻布の表・裏部分に接着剤で貼り、素敵なカバーを制作しました。

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 昼食休憩をはさんで午後からは、まず一組目の方に登壇いただき、事務局が文通で使用した写真をスライドで写し、講師が各々の写真を撮ったときの「想い」や「状況」などについて登壇者へインタビューし、テーマと写真との相関関係や、受け取った方がどのように感じたか、相手の方がどんな方かをいつ連想したかなどを伺いました。登壇者以外の参加者も映し出されている写真を見、登壇者の発言に聞き入っていました。その後は、写真集の制作と各組の文通状況を見聞することの同時並行となりましたが、写真集の制作の際には、文通相手のなった方から説明を聞きながら作業をするなど、交流も図られました。全ての組の説明が終わった頃には、講師に撮影してもらった自身のポートレート・写真と文通相手のポートレート・写真を台紙となる色紙に貼って写真集が完成しました。

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◆参加者の声  「大変充実した2か月と講義の時間となりました。」「文通を初めてする機会となりました。写真を通して知っていくことは楽しかったです。」「また参加したいです。」「技術とは違う視点で気付きがありました。」「写真を通して様々なことを考えさせられました。」と写真撮影技術とは別の「想い」を込めることと、見知らぬ相手との写真だけの文通の醍醐味を実感いただいた満足度の高い講座となりました。

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